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元祖ギャルゲーの証明 vol.2
1986年 ファミコンのギャルゲー
前回、元祖ギャルゲーの証明 vol.1にて、ファミコンのギャルゲーと認定するための条件を設け、それに該当する1986年のゲームを探りました。
【ファミコンのギャルゲーと認定するための条件】
1、女の子が登場するゲームである事
2、女の子が主人公のゲームである事
3、原作となる媒体が存在しないゲームである事
4、操作キャラが女の子と認識可能なゲームである事
5、女の子にキャラクター性が付与されたゲームである事
そして1986年には、1〜5全ての条件を満たさなくても、ギャルゲーとして認定できそうな「恋愛ゲーム」の類がない事も確認しました。
発売日 | タイトル | ヒロイン | メーカー |
---|---|---|---|
8/1 | ワルキューレの冒険 時の鍵伝説 | ワルキューレ | ナムコ |
9/25 | スペースハンター | アルティアナ | ケムコ |
12/18 | マドゥーラの翼 | ルシア | サン電子 |
12/20 | レイラ | レイラ、イリス | dB-SOFT |
5つの条件全てを満たす、1986年の4タイトルです。
前回は、条件から漏れた作品を中心に話を進め、残った4タイトルに殆ど触れませんでしたが、どうでしょう。管理人の主観を多分に含む選考ではありましたが、残った4タイトルに関しては、いずれも実際に広くギャルゲー認定されているものであり、概ね納得していただけるかと思います。
これを丁寧に解説しているサイトが見当たらないのは、自明の理であるためでしょうか。レイラの存在の重要さに改めて気が付いてほしい当サイトは、今更ですが長々と説明してみました。
1986年以前のファミコンのギャルゲー
レイラは「ファミコンにおける元祖ギャルゲーの一つ」なのか。それを知るには、1986年以前のファミコンソフトの調査も必須です。
1983年(全9タイトル)
1984年(全20タイトル)
1985年(全69タイトル)
計98タイトル。
最低条件である【条件1】女の子が登場するゲームを満たす作品は、それなりにあります。長くなるので割愛します。
【条件1】を満たし、【条件2】女の子が主人公のゲームも満たす作品となると、数は一気に減ります。まず、1983年と1984年のゲームは全滅です。ここまで残ったタイトルはこちらです。
発売日 | タイトル | ヒロイン | メーカー |
---|---|---|---|
1/30 | アイスクライマー | ナナ | 任天堂 |
8/9 | アストロロボSASA | NANA | アスキー |
9/20 | プーヤン | 母ブタ | ハドソン |
9/27 | シティコネクション | クラリス | ジャレコ |
12/19 | バイナリィランド | マロン | ハドソン |
【条件3】原作となる媒体が存在しないゲームである事
『アストロロボSASA』は、MSXの移植。
『バイナリィランド』も、MSX含むPCが元。
『プーヤン』と『シティコネクション』は、アーケードの移植。
『水晶の龍』のような例外疑惑の作品は他に無く、よって今回検討するのは、『アイスクライマー』だけになります。
【条件4】操作キャラが女の子と認識可能なゲームである事
ナナは単なる1Pキャラの色違いであり、ドット絵を観ただけでは女の子であるか分かりません。イラストを観ても、まだ分かりません。「ピンクは女に決まってるだろ!」と決め付けるのは早計。『ファイナルファイト』のアンドレは、ピンクですが漢です。
加えて、頭までスッポリ着込んでいるため、余計に判別が困難です。
【条件5】女の子にキャラクター性が付与されたゲームである事
名前が設定されていますが、それ以上の個性はあるでしょうか?
条件1、2、3を満たし、4と5は微妙な『アイスクライマー』は、果たしてファミコンのギャルゲーか否か。
・2P側が男であろうが、ゲームの面白さは不変である事
・発売元の任天堂が、明らかに「魅力的な女性が登場する事を売り物」としていない事
・ファミコンのギャルゲーを語る際、本心からナナを挙げる物好きは皆無である事
・そもそも、ゲーム自体の知名度は高いが、2Pキャラに付与された個性「ナナという名の女の子」までは浸透していない事
・・・深く考察するまでもありませんでしたが、『アイスクライマー』はギャルゲーではない、と考えるのが自然ではないでしょうか。(ファミコン時点での話なので、スマブラは考慮しない)
というわけで、まとめです。1986年以前には、純粋なファミコンのギャルゲーは存在しません。
レイラはファミコンにおける元祖ギャルゲーの一つである
1986年は、ファミコンにおけるギャルゲー黎明期だったのです。1985年の段階で「女の子が主人公」のゲームは登場したものの、そこに同人誌の対象となるようなキャラ萌え要素は希薄で、また殆どが移植作であり、純粋なファミコンのギャルゲーと言えるものは無かったわけです。
レイラは、ファミコンのギャルゲー黎明期に誕生した4タイトルのうちの一つである
よって
レイラはファミコンにおける元祖ギャルゲーの一つである
と言えるのです。
現在山のようにいて、今後も星の数ほど増えるであろう、家庭用ゲーム機のギャルゲーヒロインたち。その入り口に立つ5人のうち、2人がレイラとイリスである!ぼんやりとギャルゲーという大枠を眺めるのでなく、歴史的観点から立場を明らかにすると、途端に存在の大きさを思い知らされます。作り手もファンも、この点をもっと誇って良いと思うのですが、どうでしょう。
最後に惑わすような情報を。『ワルキューレの冒険』は、実はアーケードゲームとしてもリリースされていたようです。『任天堂VS.システム』という、ファミコンの構造を応用して開発されたアーケード筐体で遊べたらしい。『アイスクライマー』も出たそうな。『マドゥーラの翼』も、基盤は作られたが、未発に終わったらしい・・・。今の今まで忘れてたけど、そういえば私も、レトロゲームを売りにする店で、VS筐体見たか触ったことあったような。
ただ、ワルキューレもマドゥーラも「ファミコンが先で、後でアーケードに移植」だと思うので、ファミギャル1期生との認識で構わないはずです。
2017年3月6日更新
2013年9月11日