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レイラの原画展&演奏会in札幌

【目次】

ゲームインパクト in 札幌に参加しました

ゲームインパクト in 札幌で描いたらくがき

かつてレイラを作ったdB-SOFT本社が存在した、北の大地・札幌。このレイラゆかりの地で、2017年7月16日(日)、『ゲームインパクト in 札幌』が開催された。私が重い腰を上げたのは、「原画展にて、みなづき由宇先生のレイラの原画が展示される」との前情報による。わんぱっくコミックに掲載された、レイラの原稿の展示は、今回が初めての事。30年振りに、みなづき先生が、屋根裏からレイラの原稿を引っ張り出したのである!


もう一つ楽しみだったのが、みなづき先生の直筆複製原画の展示販売。前もってサイト等に画像が出ていたが、直に観て、買えるようだったら買いたい。これもはるばる遠征した大きな理由である。

という事で今回は、ゲームインパクト in 札幌のレポートを、諸々割愛して、レイラの話題に絞ってお伝えしたい。

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ゲームインパクト in 札幌 開場まで

さっぽろテレビ塔

7月15日(土)夜、札幌入り。
7月16日(日)朝、宿を出るタイミングで、小雨から本降りに。「1部トークライブ&原画展会場(さっぽろテレビ塔)へは、地下から行ける」のを思い出し、大通駅の地下道へ駆け込む。京都を参考に街がつくられたらしい札幌市は、道路がどこまでもどこまでもまっすぐに伸びている。地下も同様である。大通駅地下道の一番奥の出口が、さっぽろテレビ塔に直通しており、そこまでの直線を、スーツケースを引いて歩いた。


『ゲームインパクト in 札幌』開場待ちの風景

札幌市のランドマーク・さっぽろテレビ塔。2階は貸しホールエリアになっていて、そこの1室・ライラック・ホールが、『ゲームインパクト in 札幌』第1部会場。 こんなところに貸しホールがあるとは。ホールというより、小会議室・小宴会場という趣き。ちょっと古いが見晴らしが良く、需要はありそう。 1時間以上前に会場に到着すると、並び客はまだおらず。3階のお土産コーナーで時間を潰し、また戻ると、一人並んでいた。自分も列に付き、クロッキー帳にサイト用のらくがきをして、開場を待った。


予定通り、12時に開場。 『ゲームインパクト in 東京』と違い、原画展とトークライブが、同じ部屋での開催。つまり、トークライブが始まる13時30分までの90分間しか、実質原画を眺める時間がない。トークライブが終われば撤収作業に入り、2部会場への移動になる。

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1部原画展 直筆複製原画

自分はまず、窓際の、複製原画の前に立った。『あこがれてエンジェル!』から3点、『レイラ』から2点。レイラの複製原画は、2点とも漫画ではなくイラスト。「第2話 パトロールでプッツン!!」「第3話 出たゾ 甘党怪獣♡」の、表紙イラストである。

原画の下にモニタがあり、みなづき先生の作画の様子をカメラで撮った映像が流れている。複製原画購入の際に付く、特典DVDの映像らしい。


原画をパッと観た瞬間、慣れ親しんだ絵と違うことに気が付く。大部分はトレースして描かれているが、今のみなづき先生の絵柄で、所々調整が入っているのだ。告知画像の段階で明らかであったが、最も印象に残る「キャラの顔の描き方」が変わっているため、即座に気が付くに至った。つまりこれ、正しくはリファインされた複製原画なのだ。

みなづき先生は、今も新たな作品を描き続けている現役の漫画家だ。ファミコン漫画家として戻ってきてくれたとはいえ、過去作にばかり囚われた方ではない。先生の立場になって考えると、30年も昔の自分の絵を複製するなら、ただ再現するのではなく、マズいと思うところは修正し、培った新たな技術や、今の自分の好みの絵柄を反映させようとするのは、自然なことだろう。

※調整を入れたことについては、特典DVDでもコメントしているようだ


一方、購入まで考える個人的な感想としては、「手を加えず、そのまま再現で良かった」。これは長年あの絵柄に慣れ親しみ、その直筆複製原画を手元に置けるなら、絵柄はそのままがいいという感覚のためである。(否定から来るものではない、念のため)

また、自分が1980年代のアニメや漫画の絵柄が大好きだからという、好みの問題もあるだろう。


「みなづき由宇先生インタビュー」で明らかになったが、「ペン入れまでの作業はアナログでそれをスキャンした後のトーン貼り、彩色等はデジタル作業」が、現在の先生の作業環境。久しぶりの1から10までのアナログ作業に、手間がかかったようだ。顔を近づけるまでも無く、黒ベタの塗り跡、トーンの切ったところが確認できる。アナログ原画特有の味わいだ。アナログのベタ塗り・トーン貼りには、自分も苦心した過去があるので、容易でないのがよく分かる。


幾らなんだろう?と、スタッフさんを捕まえて、聞いた値段に唖然。アナログ且つフルカラーだった、あさい先生との合作絵の倍額以上!とても買えん!ただその後、みなづき先生と、ゲームインパクトさんの粋な計らいにより、ググっと値下がり。何とかレイラの直筆複製原画を2点とも購入することが出来た。ありがとうございます、助かります!

※みなづき先生自身は、自分の作品を高額で売ろうという気は無く、「低い価格で多くの方に買って頂く方が作家としては嬉しい」と、私とやり取りしたメールの中で仰っておられました。ぶっ飛んだレイラの漫画とは対照的に、いつも謙虚な先生なのでした。


今回のレイラの原画は、1つの絵につき2枚描かれたようです。ゲームインパクトさんのサイトで販売しておりますので、もし欲しい方がいれば、是非ご検討下さい。みなづき先生が、ご自身の30年前の原稿と向かい合って出来た、所々新しい要素も入った直筆複製原画。私も手元に届くのが楽しみです。

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1部原画展 わんコミのレイラの原画

直筆複製原画の次に観たのが、わんぱっくコミックに掲載された、当時のレイラの原画。これを観に来たのだ。全部で5点。観覧時間90分間の殆どを、自分はレイラの原画展示エリアで過ごした。持ってきた単行本と見比べ、ノートに気が付いた事をメモ。不審者そのものだ。


①『ファミリーコンピュータ必勝テクニック完ペキ版17 レイラ』カラー表紙

漫画原稿用紙とは違う紙に描いたのだろうか。青のガイドラインが見当たらない。カラー印刷だと青のガイドラインも載ってしまうから、そもそも漫画原稿用紙の表(おもて)面は使えないのだろう。
ちなみに『メトロイド』の表紙も飾ってあり、一辺がリングから切り離された跡があったため、こちらはスケッチブックに描かれたのだと一目で分かったが。

何千回と観た表紙絵は、原画の方が細密で美しいと思えた。


②『ファミリーコンピュータ必勝テクニック完ペキ版17 レイラ』総トビラ絵

レイラの単行本の表紙をめくると、最初のページに載ってるイラスト。レイラとイリスのバストアップで、これだけ他と少し違うシリアスな絵柄。具体的には、鼻筋と口元が色っぽく描かれていて、レイラとイリスの「女」の面を強調して表現されたイラストだ。かーわいい。
モノクロだと、きちんと肩パッドの色が違う!レイラが黒ベタの肩パッドに、イリスが服と同じトーンが貼られた肩パッド。


③「第1話 情はキ・ン・モ・ツ」表紙

オリジナルストーリー漫画の第1話の表紙。まだ色々定まっていない最初の頃に描いたレイラだからだろう、後のに比べて、若干等身低めに描かれている。この微妙な幼さが可愛らしい。ダーティペア譲りの、二の腕までムチムチで健康的な美少女。

漫画原稿用紙に描かれているのだが、原稿の下に「CAPTAIN 少年キャプテン特製原稿用紙」の青い印字が!一般には出回らなかった、漫画家専用の原稿用紙なのか?それとも、少年キャプテンで通販していた、漫画原稿用紙なのだろうか。


④「第1話 情はキ・ン・モ・ツ」本文2ページ目

SWATとCATの表記違い

2コマ目の、バズーカを構えるレイラ。ダーティペアのケイを髣髴させる、カッコいいレイラだ。みなづき先生のレイラの中で、個人的に最も気に入っている。


このページは、雑誌と単行本で、台詞が変わっている。

【雑誌】SPECIAL WEAPONS AND TACTICS 通称SWAT

【単行本】CHIMAIRAN ATTACK TEAM TACTICS 通称CAT

実在のSWATと同じ名称だと流石にマズいから、CATに(ゲーム発売直前に)変更された影響である(注:雑誌が出たのは、ゲームカセット発売前の事)。では、展示された原画ではどうなっていたかというと・・・

【原画】SPECIAL WEAPONS AND TACTICS 通称CAT

中途半端に直されてる!よく観ると、CATの文字が貼られた下に、薄くSWATの文字が見えた。何でこんな事になってるのか。


発見はもう一つ。このページの左端には、SWAT(またはCAT)の解説が載っているのだが・・・

【雑誌と単行本】一般警察で対処しきれない事件を担当する警察機構。

【原画】一般警察で対処しきれない事件を担当する警察機構。近年特にキマイラン退治専門となる。

原画には、貼り付けた解説文の下に、鉛筆で書いて消しゴムで消された上記の文章の跡あったのだ。後ろの文は、説明がクドくなるので省かれたようだ。


⑤「第1話 情はキ・ン・モ・ツ」本文3ページ目

イリスにマシンガン(水鉄砲)を撃つレイラのページ。この絵は最近、ファミカセシール用にも描かれ、イベント売りされましたね。

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1部物販タイム&トークライブ

ゲームインパクト in 札幌の物販

1部トークライブが始まる直前に、私もようやく原画から目を離し、入口付近の物販コーナーで、少々お買い物。お高い複製原画を買うかどうか迷っていた影響で、ここでの大量買いは控えた。

買ったのは、技野冴子先生と、レイラのアクリルキーホルダー。レイラは2個買って、1個はその場でバッグに付けた。

それから、あさい先生の「ファミコンロッキー女子ファミカセ」。関東のイベントだと瞬殺の大人気商品が、結構残ってて、選びたい放題だった。初めて見る過激なカセットに、札幌の人はビックリ&躊躇したのかもしれない。自分は、全く自重しない、あおり構図でパンモロ状態のかおるちゃんの絵に笑ってしまい、これを購入。

※ゲームインパクトで物を買う時、お金の単位は「円ジェル」になる。


トークライブでは、ゲーム界の偉人たち3名が登場。学校の授業形式で、ベル→起立→礼→着席までやる徹底振り。

配られた生徒手帳には、みなづき先生による『あこがれてエンジェル!』の新作漫画が掲載されていた。冴子先生の胸が更に成長している!「ゲームインパクト学園校歌」なる怪しげな楽譜も載っていて、最後は参加者みんなで起立して、これを歌った。

そんなこんなで、1部トークライブ&原画展は、瞬く間に終了。スタッフの面々はすぐ撤収作業に入り、2部に参加する人たちは移動を始めた。


ゲームインパクト in 札幌の物販

テレビ塔1階に下りると、自分の名前が刻印できる、記念メダルが売っていた。なつかしー、昔東京タワーにもこんなのあったな。どうやら、アルファベット刻印しかできないようだ。記念に「LAYLA IRIS」と刻印。もう一つ買って、「MINADUKI YUU」と刻印。こっちは北海道土産の一つとして、後日、みなづき先生のもとへ送った。

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2部音楽ライブ

ゲームインパクト in 札幌の2部音楽ライブ会場の、ESPホール

「ゲームインパクト in 札幌」2部音楽ライブ会場のESPホール。楽器屋の3階にある、ライブハウスだ。

「みなづき先生のレイラの原画が展示される」と知って、参加した今回のイベント。宿と飛行機は早々に予約したが、イベント当日まで忙しくしていたせいで、原画展観覧以外の事は、サッパリ調べてなかった私。旅の計画まるで無し。2部音楽ライブで誰が何をやるのかも、全く分からなかった。一番後ろの席に座り、ジントニックを飲みながら、ぼんやり開演を待った。


開演して初めて、1部トークライブの講師の方々によるライブなのだと知った。懐かしいゲームミュージックやオリジナル曲を、MCも交えながらの、和やか進行。

山染世界による、レイラの演奏

開演から数十分経ち、2番手に出てきたのが、山染世界(さんぜんせかい)。架空のゲームBGMを演奏する独創ファンタジックバンドらしい。キーボード、サックス、ドラム、そして尺八という、変わった構成の「和」なバンド。

「三千世界?千本桜?地元(札幌)の方?」何も知らない私の、的外れな推測。バンドリーダーの景多さんが、「普段はオリジナル曲を演奏していますが、今日はゲームミュージックのカバーを披露します」と言って、始まったのが『天外魔境U』の曲。題材が元々和な楽曲なので、違和感はない。OP→フィールド→極楽のテーマ→絹のテーマ→カブキのテーマの5曲を披露。


そうして前半の天外Uの演奏を終え、後半に披露されたのが、何と『レイラ』だった。アクリルキーホルダーにもなった、レイラがギターを弾く絵は、これの暗示だったのだ。

「レイラやったことある人。」挙手を促すMCに、半数くらいの客の手が挙がる。ホントかよ!「クリアできる人。」なら、1人、2人だったかもね。

中には「何で天外Uとレイラ?」と思われた方もいただろう。MCで説明がなかったので補足すると、天外Uを作ったハドソンと、レイラを作ったdB-SOFTは、どちらも札幌市に本社があったメーカー。つまり、札幌にゆかりのある選曲だったのだ。

で、レイラのどの曲を演奏したかというと、洞窟面の曲と、EDテーマの2曲。EDテーマは意外だった。音数が少ない曲で、演奏もアレンジもし易かったためかもしれない。「EDの曲は、ゆっくりなバージョンと速いバージョンがあって、そのどちらも演奏してみたいと思います」のMCに、更にびっくり。元々レイラのEDテーマは、ゆっくりなバージョンしかない。しかも、曲の途中でOPテーマに切り替わる。ゆっくりなバージョンを最後まで聴くには、データ抽出するしか方法がないのだ。また、EDテーマの速いバージョンとは、未使用曲。これもデータ抽出しないと聴けない、元々は開発スタッフしか知りえない曲なのだ。今は時代が進んで、一般人にも使えるロムカセットの解析ツールがあり、抽出された未使用曲が、動画サイト等に普通にupされている。レイラも同様で、私も大分前から知ってはいたが・・・。そんな「訳あり」なレイラのEDテーマの生演奏、しかも「和」な生演奏は、史上初の試みだったはず。

洞窟面の曲の「和」な演奏も、かなり面白かった。1回きりで終わるのは勿体無い。山染世界は、オリジナル曲のCDを4枚も出しているが、カバーCDの類は出してないようだ。コミケなんかで出してくれれば、喜んで買いに行くのだが。レトロゲームの「和」なカバー。需要はあると思う。


2部音楽ライブは、予定より少し押して、19時30分頃終演。私は、イベント主催のゲームインパクト代表の方にお礼を行って、会場を後にした。

レイラの原画展示に、レイラの直筆複製原画展示販売に、レイラの演奏。私ひとりをピンポイントで狙ったイベントのようだった。あまり行動的とは言えない私を、北の大地まで飛行機で連れ出した企画に驚嘆。今後もレトロゲームファンを唸らせる企画を、どんどん打ち出してくれることでしょう。

企画・運営に携わった皆様、参加者の皆様、お疲れ様でした。みなづき先生、山染世界さん、ありがとうございました!

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オマケ 札幌市

猛暑の報道もあった札幌市。私が滞在した7月15日〜18日は、雨か曇りのどっちかで、全く暑くなかった。

札幌ラーメン集

イベント後、私は観光地を巡ることもせず、ぶらぶら歩いて、ひたすらラーメンを食べていた。味噌ラーメンの印象ばっかり強いが、「札幌ブラック」なる醤油ラーメンもある。店で直売してたお土産ラーメンの幾つかは、みなづき先生にも送った。先生は麺類が好きらしい。


ディノスパーク札幌中央

ディノスパーク札幌中央。2階のレトロゲームフロア。すごいよここは!ゲーム筐体がズラーッと並んでて、どれもこれもレトロアケゲーばかり!この世の楽園だね、ここは。今まで行ったゲーセンの中で、文句なしのNo.1。ベガ立ち勢(腕組みしながら、人のプレイを後ろで眺める人)はいないし、ヤニ臭くないし(これはタイミングの問題かも)、腕自慢会場のような雰囲気が無く、伸び伸びプレイできる。

元祖ギャルゲーの証明 vol.2で触れた、レアな『VS.アイスクライマー』や、『VS.キャッスルバニア 』まであって大興奮!あんまり楽し過ぎて、帰りの飛行機に乗る前にも再訪して楽しんだ。


札幌市の道路

ラーメンとゲーセンと同じくらい惹かれたのが、どこまでもどこまでもまっすぐ伸びる道路。整然とした大都会の道なのに、東京のようにゴチャゴチャ人がいない。無心で独り静かに歩いてるだけで、幸福感が湧き上がってくる。

今回の旅で、初めて札幌を意識するようになり、魅せられた。旅行シーズンでない秋なんかに独り来て、また堪能したいな〜。

2017年7月22日

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